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ファミリーオフィス未来通信|仏教の『中道』に学ぶ…心静かに、長期投資を続ける智慧

産コラム「ファミリーオフィス未来通信」のご案内です。
今回は「仏教の『中道』に学ぶ…心静かに、長期投資を続ける智慧」についてご紹介します。

投資の世界にも「中道」がある?

 

市場が上がると浮かれ、下がると恐れを抱く。
そんな投資家心理の波に振り回されず、長期的に資産を育てていくには、「中道(ちゅうどう)」という仏教の教えがヒントになります。

釈迦が悟りを開くきっかけとなったのが、この「中道」でした。
それは、極端を避け、自然体で、執着を離れ、変化を受け入れて生きる智慧の道です。
実はこの考え方、パッシブ運用の長期投資にも深く通じています。

パッシブ運用とアクティブ運用の違い

 

投資には大きく分けて2つのアプローチがあります。

パッシブ運用:市場全体の動きに連動して投資する方法。

アクティブ運用:市場の中から有望な銘柄を選び、平均を上回る成果を狙う方法。

ただし、「インデックス投資=パッシブ運用」とは限りません。
インデックス(指数)には、東証や日経、MSCI、S&Pなどが提供するものがあり、市場全体を反映するものもあれば、特定の銘柄群を抽出するものもあります。

たとえば、TOPIXに連動する運用は、市場全体を対象にしたパッシブ運用。
日経平均株価に連動する運用は、225銘柄の株価を単純平均したもので、厳密にはパッシブとは言えません。

同様に、米国のNYダウも株価平均型指数で、株価が高い銘柄(値嵩株)の動きに影響を受けやすい構造です。

一方、TOPIXやS&P500、MSCI ACWI(オルカン)などのような時価総額加重型の指数こそ、真の意味で市場全体を反映する「パッシブ運用」の代表です。

ノーベル賞学者シャープが証明した「アクティブ運用の真実」

 

ノーベル経済学賞受賞者のウィリアム・F・シャープは、資本資産価格モデル(CAPM)を提唱した金融理論の巨人です。

彼が1991年に発表した短論文、「The Arithmetic of Active Management(アクティブ運用の算術)」は、アクティブとパッシブの関係を、たった数行の算数で説明しています。

その結論は驚くほどシンプルです。

(1)コスト控除前では、アクティブとパッシブの平均リターンは等しい。

(2)コスト控除後では、アクティブの平均リターンはパッシブより低くなる。

理由は簡単。市場全体の平均が「パッシブの成果」である以上、アクティブ投資家全体の平均も同じになります。
しかし、アクティブ運用は売買や調査にコストがかかり、ファンドの運用コストが高くなるため、平均的にはコスト分だけパッシブに劣後するということです。

もちろん、市場平均を上回る少数のアクティブ運用も存在します。
しかし、「平均的な投資家」にとってはパッシブ運用が最も合理的──
これがシャープの明快な結論でした。

パッシブ運用と中道…市場との調和の道

 

釈迦の「中道」は、 極端に走らず、自然体で生き、執着を離れ、変化を受け入れる智慧の道。

これを投資に置き換えると、こう言えます。

パッシブ運用の長期投資とは、相場の極端に動じず、市場の流れに身を委ね、欲や恐れの執着を離れ、時間の変化を受け入れて資産を育てる智慧の道である。

釈迦にとって中道が「心の平穏への道」だったように、パッシブ投資は「市場との調和の道」です。
短期の売買や予測に振り回されず、経済全体の成長を受け入れて淡々と続ける。
それこそが、金融の世界における現代の中道と言えるでしょう。

心を静める投資

 

投資とは、結局「心の修行」なのかもしれません。
欲望や恐怖に揺れず、長期の視点を持ち、自然体で市場に寄り添う姿勢。

それは、仏教でいう「中道の心」にほかなりません。

極端を離れ、平常心で積み立てる。

それが、長期投資家の静かな強さです。

 


【執筆者紹介】

代田 秀雄(しろた ひでお)

辻・本郷 ファミリーオフィス株式会社 特別顧問
シロタ・ウェルス・アンド・ウェルビーイング・アドバイザーズ代表取締役社長
中央大学客員教授(国際公認投資アナリスト)

三菱UFJ信託銀行で年金・資産運用の実務に長年従事。 「オルカン(eMAXIS Slim 全世界株式)」などの普及にも携わり、成人の4人に1人がNISA口座を持つ時代をつくった第一人者の一人。

2025年、シロタ・ウェルス・アンド・ウェルビーイング・アドバイザーズを設立。

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